2014年10月15日水曜日

二楽章〜その3♪





僕らは海を暮らす。

海洋哺乳類と言われる僕たち。
君たちと同じ、空気を必要とし、おっぱいで子育てする。
海で暮らしながらも君たちと同じ生態をもつ仲間なんだ。

そして、君たちよりも長く息を止めていられる。

これは当然だね。

海で暮らすには水中に長い間、
潜り続けられる力が必要だからね。

実は、その中でも、長く潜っていられるのと、
あまり潜っていられないのがいるのだけど。

ヒゲクジラは、種類によって20分から、
80分くらいも潜っていられるんだよ。

それに比べハクジラは、なんと!
120分くらい潜っていられるんだ。

なぜなら、ハクジラは深海で食べ物を探すからさ。

比較的浅い所で過ごすヒゲクジラよりも、
長く潜水しなきゃならないんだ

ただハクジラといっても、
僕たちイルカやシャチなどはヒゲクジラよりも
潜っていられる時間が短い。

僕らはそんなに深く潜ったりしないから
潜水時間が短くてもいいんだよ。

僕なんて、浅い海…陸の近くや沖合で
君たちに会うのは大好きなのさ。

 
なぜがそんなに長く潜っていられるかについて、
少し科学的(学者的?)で、難しくなるけど説明してみるよ。


僕たちは・・・・・

水の中で、呼吸を止めて酸素が減ってくると、
血液をとにかく、まず、重要な器官だけに送り
酸素の消費を少なくすることができるんだ。

れは人間でも少しはできるんだよ。

クジラほどではないけどね。

潜水を長くする人達は、その能力を高めているんだ。
うん。そんな潜り好きの人達と僕らはよく遊んださ。

今でもいい友達がいっぱいいるよ。


そして、僕たちは。

血液の中で沢山の酸素を運ぶことができ、
筋肉の中に酸素を貯める力を持っている。

だから肺から取り込んだ空気を血液と筋肉の中に
蓄えておくことができるんだ。

それによって酸素の消費を減らすことができ、
長い時間を潜っていられんだ。

え?学術的すぎる?
これくらい、がんばってね。
 
僕たちはとても強い肺を持っていて、
水圧によって、もしつぶれても破れたりしないんだ。

そして、肋骨の間接が胸骨と離れていて、
さらに軟骨があることによって柔軟さがあり、
折れる心配がないんだよ。

そう。こういう機能を持つおかげで、
君たちと同じ肺呼吸をする生き物でありながら、
僕たちは長い時間、深い海にもぐっていられるんだ。



 
クジラはゆっくりと海を回遊している。

時速にするとだいたい5~30km。

敵から逃げたりするときは最大で時速60kmくらい。

クジラ種の中で一番速いシャチは、
時速80kmで泳ぐことができる。

どうだい、なかなか速いだろう。

 僕たちが水中で速く泳げる理由は、
体の形なのさ。

滑らかな流線型をしていて、
水の抵抗が最小限になるようになっている。
また、体の比率にも特徴があり.....
そういう体の造りによって、水の抵抗を
あまり受けずに泳ぐことができるのさ。
 
次は泳ぎ方だ。

これはみんな知ってると思うけど、僕たちは
尻尾を上下させることによって前に進んでいる。

ちなみにこの尻尾を上下させる運動を、
人間たちはドルフィンキックと呼んでいるよ。

このドルフィンキックでは、尻尾を
振り上げるときに前に進む力が生まれる。

僕たちはそれを動かす筋肉がすごく発達している。
それで、かなりの力が生まれるんだ。

君たちが使っているバタ足と同じようなものさ。




 
僕たちの体は、海で暮らすことに特化している.....

というこだけのことなのさ。

君たちの身体が、大地に暮らせるよう
特化しているのと同じにね。


生きている環境が違っても、

根本的な所はみんな一緒だよ。

イラスト by92

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