2014年10月1日水曜日

いのちのしま〜二楽章


僕らのことを、人はどれだけ知っているだろうか。

沢山の学者と呼ばれる人達や、活動家達が僕らのことを調べてきた。
僕らの暮らし方、生態・・・そして、僕らのウタについて。

僕はある朝、 あの人間の女の子に。
クジラの唄が録音されたカセットテープを渡したんだ。

そう。一楽章で話していたように、僕は彼ら・・・ 
クジラのお手伝いをしている。
彼らが人に伝えようとしている、
その大切なことを伝えるためのお手伝いをね。




           なぜなら、僕もクジラ類の仲間なんだ。
カラダは彼らより小さいし、違うところは色々あるけれどね。
だから、人は僕らを彼らと分けて「イルカ」と呼ぶ。

ホント、人って言うのは何にでも 
名前を分けて付けるのが好きなんだね。

とにかく。

大切な家族がやりとげようとしている仕事だ。 
僕らもこのお手伝いを楽しんで精一杯やってるんだよ。

     彼ら・・・クジラがどれほど地球上の海を回遊しているか知ってるかい?
彼らは、一年にだいたい数千~数万kmの距離を回遊するんだ。 
夏場は緯度の高い南極や北極の海で過ごし、 
冬になると緯度の低い暖かくて穏やかな海で過ごす。 
例えば、アラスカ、アリューシャン列島、ベーリング海 
過ごしていたクジラは、冬になると沖縄の座間味へやってくるんだ。
なぜわざわざそんな長い距離を移動するかというと、 
        夏にご飯をたくさん食べ、冬に子育てをするためなのさ。                                  
 夏、南極や北極の海にはオキアミが大量に発生する。 
彼らは一年のうちにその時期しか食事をしない。 


だから一年分のエネルギーを蓄えられる程大量のご飯を食べるために、一年に一度オキアミが大量発生する緯度の高い海に行くんだ。

 気温が下がり海が冷たくなってると、 
その海では水面が凍りはじめる。 
海に氷が敷き詰められるとほ乳類である僕達は、 
人と同じように息を吸うことができなくなるんだよ。

そして、そこを離れ、暖かい海を目指して泳ぎはじめるんだ。


イラスト by92


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