2016年4月13日水曜日

Rhythm & Voice

人は大地に立つ時...
足の真ん中あたりと、土の間に。

小さな小さな空洞をうみだしている。

その小さな空洞を生み出すため、
人の足の裏には、少しの弧が描かれている。

描かれた弧は、大地とくっつくところ、
それと、大地と離れろところを作り成す。

その離れるところ。

「土踏まず」

と、言われるところ。


この空洞はとても大切で。

これがあるから、私達は立ち、歩き...
力強く、優しく...と。

自在に踊ることができる。

これがあるから、右へ左へ。
後ろへ前へ。

ゆらゆらと、ゆれることができる。

これがあるから、足を大地にくっつけたまま、
体をひねったり回ったりすることもできる。


大切な、この空洞は。

大地と人のリズムが交じり合うところ。


足の裏を、ゆるめてごらん。
ほわっと、緩んだイメージを持って。

そう。想像するだけでいいから。

そしたら、空洞をしっかり意識してみて。


もし、そこがとても静かなら。

大地の鼓動が伝わってくる。



声を出してみて。

君の周りの広大な空間に向かって。

「Ho ei ya ho〜」と、唄ってみる。

ほら。

空気がゆらいだ。

声の波を受けて、共鳴した。

そして、その波がまた次の波を呼び...

あぁ、もうあんなに遠くまで波は広がっていった。

小さな声で、少しささやいただけなのに。


なぜ、そんな風に波の行方が見渡せるのか。


それは...

ここが静かだからさ。

大地の鼓動も。
君の声も。

遮るものは何もないほどに。

ここは静かだから。





文*絵 えま

0 件のコメント:

コメントを投稿