アラームの音で眠りから覚めた。
確か、六時にセットしておいたはず。
だとしたら、起きて支度をしなきゃ。
あわてて顔を洗い、身支度をしてリビングに入ると、
お母さんが朝ご飯を作っていた。
お母さんが朝ご飯を作っていた。
「おはよう〜お母さん」
「あら?・・・おはよう、早いね。」
お母さんは、こっちを見ずにそう言って返した。
「え、そう?いつも通りだけど。」
「そう。まぁ、早起きはいいことだからさ・・・って、
どうしたのその格好?学校でも行くの?」
お母さんは、私を見て聞き返した。
「そうだけど。ていうか、昨日も一昨日も行ってたのに。」
「もう夏休みだから学校行かなくていい!って、昨日喜んでたけど?」
「あ・・・・・」
そうだ、忘れてた。
今日から夏休み、だった。
夏休みが嬉しくて、昨日あれだけはしゃいでいたことを思い出して恥ずかしくなって来た。
「き、きがえてこようっと」
そう言って私は自分の部屋に戻った。
制服を脱いで、お気に入りの海色のTシャツに着替えた。
時計を見ると、まだ七時前。
散歩にでも行こうかな。
そう思って、私は家を出た。
ふらふらと、歩き始めた。
ここは、南の方にある小さな島。
丘へ上がると紺碧の海が見渡せる。
冬には、回遊してくるクジラやイルカ達にも出会える。
浜から少し上がった丘まで歩き、散歩して来た時には
いつもよく腰掛ける大きな石に辿り着いた。
夏日の眩しい太陽が、もう高く昇っている。
休日なんだから、ゆっくり寝てようと思ってたのに。
けど、間違えて早起きして良かったな。
やっぱり、朝ここにくると、とても気持ちがいい。
ふと、海の方に目をやってびっくりした。
見慣れない男の人が一人、立っている。
なんだかぼろっちいシャツを着て、短パンで、
背中に大きなリュックを背負っている。
背中に大きなリュックを背負っている。
ここに知らない人がいるなんて、めずらしいな。
あの格好、旅人なのかな?
人がいるんだったら、別のところへ行こうかな。
そう思ってその場を離れようとすると、
不意に声をかけられた。
「君は、クジラの歌を聞いたことがある?」
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